歯科衛生士と看護師の違いや似ている点をご紹介します。
口腔ケアや歯科疾患の予防を行える歯科衛生士は、近年注目を集めている職業です。
歯の健康を守る歯科衛生士の需要は高く、今後もさまざまなシーンで活躍する姿が見られるでしょう。
そんな歯科衛生士と比較検討されるのが、「看護師」です。
看護師は歯科衛生士と似ている部分も多く、多くの職場で必要とされている職業となっています。
その一方で、歯科衛生士と看護師には明確な違いがあり、どちらを選択するかは重要な決断となり得るでしょう。
本記事では歯科衛生士と看護師の違いと、似ている点の両方について解説します。
歯科衛生士と看護師の特徴について
歯科衛生士と看護師は、どちらも特徴的かつ専門性の高い職業となっています。
まずはそれぞれの特徴を確認し、歯科衛生士と看護師にどのような魅力があるのかを把握してみましょう。
歯科衛生士の特徴
歯科衛生士とは、主に口内のケアを仕事とする専門職です。
歯の疾患を予防する処置や、個人で歯をケアできる方法の指導などを行う他、歯科医院などで歯科医師の診療補助を担当します。
歯の健康を維持するためにさまざまなサポートができる職業として、今多くの職場で需要を高めているのが特徴です。
看護師の特徴
看護師とは、主に医師の診療補助や患者さんの療養におけるお世話を担当する職業です。
医師の指示に合わせて診療や検査などを行い、必要に応じて手術のサポートも担当します。
その他、病気や怪我の療養を行っている人の食事・入浴・体位変換などの補助を行い、入院生活から不便さを取り除くことが仕事です。
病院において重要な役割を占めると同時に、人手不足で需要が高い職業となっています。
歯科衛生士と看護師の違いとは?
歯科衛生士と看護師は、全く異なる点をいくつも持つ職業です。
それぞれの違いを確認することで、自分が興味を持てる職業がどちらなのかが分かってくるでしょう。
以下からは、歯科衛生士と看護師の明確な違いについて解説します。
仕事内容
歯科衛生士と看護師は、全く違う領域で働く職業です。
そのため仕事内容は大きく異なり、それぞれ以下のような業務を行います。
<歯科衛生士>
・歯科予防処置:虫歯や歯周病などの予防を行う業務。歯石の除去やフッ化物の塗布などを行う
・歯科診療補助:歯科医師の診療や治療をサポートする業務。チーム単位で活動し、円滑に診療・治療が終わるように務める
・歯科保健指導:患者さんや子どもたちなどが、自ら口腔ケアを行えるように指導する業務。介護施設などを訪問して、高齢者に指導をするケースもある
<看護師>
・医師の診察補助:医師の指示通りにさまざまなサポートを行う業務。主に診察・検査・手術・各種処置などを行う
・入院患者のサポート:病院に入院している患者さんの支援業務。移動・食事・入浴・排泄など、日常生活に欠かせない行動をサポートする
・救急センターでの看護対応:救急病院などで看護対応を行う業務。24時間体制で働き、医師の指示のもと適切かつ早急な処置が求められるのが特徴
歯科衛生士と看護師の仕事は、比較してみると全く違う内容であることが分かります。
基本的に歯科衛生士は歯や口内に関することを担当し、看護師は入院患者さんや医師のサポートを行うのが仕事です。
一方で、両方とも専門性が高いという点では一致していて、豊富な知識と高い技術力が求められます。
就職先
歯科衛生士と看護師では、就職先も異なります。
一般的に歯科衛生士の就職先は、歯科医院が多いです。
歯科医師のもとで上記で紹介した業務を行い、患者さんの歯に関するトラブルを解決するサポートを行っています。
看護師の就職先は、病院や診療所が一般的です。
入院患者さんや来院する患者さんの対応を行い、さまざまな業務を担います。
ワークライフバランスの取りやすさ
歯科衛生士と看護師は、ワークライフバランスの取りやすさといった面でも違いがあります。
通常看護師が勤務する病院は24時間体制で稼働しているため、必要に応じて夜勤も担当しなければなりません。
休日のタイミングも決まっていないため、プライベートの計画を立てづらく、ワークライフバランスが取りづらい職業だと言えるでしょう。
一方で、歯科衛生士が勤務する歯科医院は、開いている時間帯や休日が一定となっています。
緊急で呼び出されるようなこともないため、プライベートを重視したワークライフバランスが取りやすいです。
働きやすさという点に注目すると、歯科衛生士の方に魅力を感じられるでしょう。
歯科衛生士と看護師の似ている点とは?
歯科衛生士と看護師は、上記のような違いがある一方で、似ている点も複数あります。
以下を参考に、歯科衛生士と看護師の類似点についてもチェックしてみましょう。
どちらも需要が高い
歯科衛生士と看護師は、どちらも高い需要があるという点で似ています。
専門性の高い職業であるため、他の職業で代替できないのが特徴です。
どちらも人手不足に悩む職場が増えていることから、今後は歯科衛生士も看護師もさらに需要が高まると予想されるでしょう。
就職先の幅が広がっている
歯科衛生士と看護師は、就職先の幅が広がっているという点でも似ていると言えます。
例えば歯科衛生士の主な就職先は歯科医院ですが、近年は歯科メーカーや保健センター、高齢者医療施設などへの就職も実現されているのです。
看護師も病院だけでなく、訪問看護ステーションや介護保険施設などへの就職が増えています。
どちらも多くの職場でその必要性が認められるようになっているため、これからさらに就職先が広がっていく可能性があるでしょう。
指定の専門学校を卒業しなければならない
歯科衛生士と看護師は、どちらも指定の養成機関である専門学校などを卒業して、国家試験に合格しなければなれない職業です。
両方とも3年以上の学習期間が必要となる点も同じで、卒業までの間にそれぞれの専門スキルを学んで国家試験と就職に備えます。
どちらも国家資格を取得する立派な職業であるため、将来性にも期待されるでしょう。
まとめ
歯科衛生士と看護師は、いくつかの類似点を持つことから、比較されやすい職業です。
これから進路を決める人のなかには、歯科衛生士と看護師のどちらを選ぶか迷ってしまうこともあるでしょう。
似ている一方で、歯科衛生士と看護師には明確な違いもたくさんあります。
仕事の内容や就職先については全く異なるため、どちらを選ぶかで将来は大きく変わることになるでしょう。
この機会に歯科衛生士と看護師の特徴をそれぞれ把握して、自分に向いているのはどちらになるのか考えてみてはいかがでしょうか。