歯科衛生士は、人々の歯を守るために働く専門職です。
日常生活を健康に過ごすためには、健康な歯が必要になるため、歯科衛生士の存在は多くの人たちに求められています。

そんな歯科衛生士の需要は、今後も高まっていくことが予想されるので、これから本格的に就職を目指すこともおすすめです。

歯科衛生士になることを目指すのなら、基本的な仕事内容について理解を深めておくことが重要です。
求められる仕事内容についての知識が曖昧なままだと、就職後にイメージしていた業務内容とのギャップに苦しみ、長く働き続けることが難しくなる可能性もあるでしょう。

本記事では歯科衛生士の基本となる仕事内容について解説するので、これから資格取得や就職を目指す方はぜひ参考にしてみてください。

歯科衛生士とはどんな職業？

歯科衛生士とは、口腔環境のケアを行い、歯の健康を脅かすリスクを排除することを役割とする職業です。
専門の機器や薬物を使用してケアをするため、豊富な知識と実際に口腔内に処置を行う技術が求められます。

そのため歯科衛生士になるには、専門知識と技術をマスターし、患者さんに安心して処置を受けてもらえる腕を磨く必要があるのです。
専門家であるためその需要は高く、多くの歯医者で活躍ができます。

実績を重ねることでより活躍の幅を広げていけるため、将来性のある職業としても人気です。

歯科衛生士になるにはどうすればいい？

歯科衛生士になるには、国家資格である「歯科衛生士免許証」の取得が必要です。
年に1度実施される国家試験に合格することで、この歯科衛生士免許証が取得できます。

歯科衛生士の国家試験の合格率は、例年90%と高い水準にあるため、きちんと対策ができていれば取得はそれほど難しくないでしょう。

しかし、歯科衛生士免許証を取得するための国家試験の受験には、指定の歯科衛生士養成機関を卒業しておく必要があります。
専門学校や大学など、歯科衛生士を育成するための専門機関に入学し、所定のカリキュラムを学んで卒業することが求められるのです。

この養成機関には3年以上通う必要があるため、歯科衛生士になるには最低でも3年の時間をかけなければなりません。
大学の場合には4年間通学しなければならないので、歯科衛生士になれるまでの期間はさらに長くなります。

しかし、養成機関では歯科衛生士に関する専門知識と技術に関する授業が展開されていて、効率良く学習を行うことが可能です。
歯科衛生士として仕事をするためのスキルを身につけられるので、専門学校などに通う時間は将来を決める大切な期間となるでしょう。

事前に歯科衛生士の仕事内容を確認しておくことも重要

歯科衛生士になるには、事前に基本的な仕事内容を把握しておくことも重要です。
どんな職場であっても、歯科衛生士が行える業務範囲は法律によって定められています。

そのため決められた仕事内容についての知識・技術を磨くことが、優秀な歯科衛生士になるためのプロセスになるでしょう。
仕事内容については、Webサイトや書籍など多くのコンテンツで確認できる他、専門学校などの養成機関で学ぶこともできます。

歯科衛生士になるための資格取得や就職活動ばかりに力を入れがちですが、実際になってからの仕事内容も勉強しておくことで、即戦力で働けるようになります。
この機会に歯科衛生士になるための方法と一緒に、歯科衛生士が行うべき仕事内容についても確認しておきましょう。

歯科衛生士の仕事内容について

歯科衛生士の仕事内容には、「三大業務」と呼ばれる3つの業務があります。
基本的にこの3つの業務をこなし、患者さんや歯科医のサポートを行うことが歯科衛生士の役割です。

以下からは、歯科衛生士の三大業務について解説します。

歯科予防処置

歯科予防処置とは、歯石や歯垢などを除去したり、フッ素化合物の塗布を行ったりすることで、口腔内の環境を整える仕事です。
患者さんの口腔内を直接触ることができるのは、歯科医や歯科衛生士の特権となっています。

そのため歯科衛生士は必要に応じて患者さんの口腔内の状態を確認し、歯科医の指示のもとで適切な処置を行うことが可能なのです。

口腔内の環境を正常な状態に保つことは、虫歯や歯周病になるリスクを減らし、歯を守ることにつながります。
歯の病気にかかる前に予防処置を行って、治療をせずに生活ができるようにサポートすることが、歯科衛生士の役割のひとつです。

歯科診療補助

歯科診療補助とは、その名称通り歯科医が行う診療の補助をする仕事です。
例えば治療の現場に立ち会って、必要な器具を適宜歯科医に渡したり、使用の終わった用具の洗浄を行ったりします。

診療がスムーズに進むようにサポートすることが歯科衛生士の役割になるため、常に状況を把握しながら必要になる作業を先回りして準備をするといった、手回しの良さが求められます。
また、歯科医の指示によって治療の一部を担当することもあるので、事前に知識と技術を十分に身につけて、落ち着いて作業ができるように準備をしておくことも必要です。

歯科保健指導

歯科保健指導とは、患者さんに対して歯の磨き方や口腔ケアの方法を指導したり、歯を守るための生活習慣を教えたりする業務です。
適切なケアの方法を伝えることで、患者さん自らが虫歯や歯周病になる可能性を抑えられます。

治療が必要になる前の段階で症状を止めることができれば、歯を失うような大きなリスクを排除できるでしょう。

歯科保健指導の仕事は、直接歯科衛生士が各所に訪問して行うこともあります。
例えば幼稚園や小学校の授業で、歯磨きの仕方を指導したり、虫歯の怖さを伝えたりすることも仕事内容の一環です。

また、介護施設の高齢者も歯科保健指導の対象となり、改めて歯の大切さやケア方法を教えることがあります。
高齢者の場合には、加齢によって歯の強度や噛む力が衰えていることがあるため、個々の症状に合わせて適切な対処方法を指導するのが仕事です。

事務作業

歯科衛生士は、歯科医院の受付、会計業務、薬物や器具の在庫管理などの事務作業を行うこともあります。
特に歯科衛生士になりたての頃は、職場の環境に慣れてもらうために、これらの作業を担当することが多いでしょう。

まとめ

歯科衛生士になるのなら、あらかじめ仕事内容について把握しておくことがおすすめです。
仕事内容の基本が理解できていれば、どんな知識・技術が必要になるのか逆算して考えることができます。

今から仕事に必要なスキルを身につけるための行動を起こせるので、就職後に即戦力として働ける人材になることも可能です。
この機会に歯科衛生士の仕事内容を確認して、具体的にどんな役割を担うことになるのかを正確に把握しておきましょう。