歯科衛生士コラム 歯科衛生士コラム

2022/08/29

歯科衛生士の実習についてご紹介します。

歯科衛生士になるためには、さまざまな知識・技術を身につけなければなりません。
そのためには座学だけでなく、実際に働く現場を想定した実習や、歯科医院などの職場を体験する臨床実習を行う必要があります。

実習を通して学べることはたくさんあるため、歯科衛生士になるのなら真剣に実習に取り組む姿勢が求められるでしょう。
しかし、実習の実態が分からないと、「本当に自分にできるのか」と不安になる方もいるかもしれません。

そこで本記事では、歯科衛生士の実習に関する詳細を解説します。
これから歯科衛生士を目指すのなら、実習についての詳細をぜひ確認しておいてください。

歯科衛生士になるためには実習が必須?

歯科衛生士になるためには、指定の養成機関(専門学校や大学)などに進学して卒業する必要があります。
卒業までの間には、所定のカリキュラムを学ぶ必要があり、このなかにいくつかの実習が組み込まれているのです。

そのため歯科衛生士になるのなら、実習を受けることが必須となっています。
実習で自分の知識を実践し、歯科衛生士として働くための準備をすることになるでしょう。

実習には複数の種類があり、それぞれで内容が異なっています。
いずれも歯科衛生士の仕事を体験できる貴重な機会となるため、積極的な姿勢で臨むのがおすすめです。

歯科衛生士になるために必要となる実習の内容とは?

歯科衛生士になるための実習は、主に基礎実習と臨床実習に分類されます。
基礎実習は学校の実習室などで行われ、入学してから早い段階で体験できるのが特徴です。

一方で臨床実習は、実際の歯科医院などに通って、本物の職場を体験する実習方法となっています。
歯科衛生士として働く流れや実際の業務を確認しつつ、知識のブラッシュアップが行えるのが魅力です。

このように数種類の実習を通して、歯科衛生士になるための準備をします。
以下からは、一般的な専門学校のカリキュラムに組まれている実習を参考に、その詳細を解説します。

歯科診療補助実習

歯科診療補助実習とは、歯科衛生士の三大業務のひとつである「歯科診療補助」を体験する実習です。
歯科医師役の業務をサポートする役割を担い、治療に使う器具を準備して手渡したり、使い終わったものを片付けて洗浄したりといったことを担当します。

実際の歯科診療補助では、歯科医師の指示を受けて治療の一部を行うこともあります。
その場面を想定して、治療方法の確認や実際にあり得るケースを実習のなかで試すこともあるでしょう。

歯科予防処置実習

歯科予防処置実習も、三大業務に数えられる「歯科予防処置」の方法を学ぶための実習です。
実際の患者さんをイメージしてコミュニケーションを取り、歯石除去やフッ素化合物などの薬物塗布の練習を行います。

虫歯や歯周病のリスクを抑えるための予防処置を行うため、その作業の必要性や意味を正確に伝える能力も試されます。
歯科予防処置実習の際には、事前に歯科予防処置の仕事内容を予習し、作業について解説できるように備えましょう。

歯科保健指導実習

三大業務の最後のひとつである「歯科保健指導実習」も、歯科衛生士になるための大切な実習です。
歯科保健指導とは、虫歯や歯周病にならないように具体的な口腔ケアの方法を指導する仕事を指します。

主に歯科医院に訪れた患者さん、幼稚園や小学校などに通う子どもたち、介護施設の高齢者などを対象に行います。
そのため実習でも、あらゆる世代の人たちに適切な説明ができるように、柔軟なアドバイス方法を学ぶことになるでしょう。

虫歯にならないための歯磨きの方法や、歯周病が持つリスクの説明、歯に関する生活習慣の見直しを勧める指導方法など、さまざまな対応ができるようになるための実習です。

臨床(臨地)実習

臨床実習は、先にも解説した通り実際に歯科衛生士の職場で学ぶ実習方法です。
学校が提携している歯科医院などに派遣され、その場所で実際に働いている歯科衛生士や歯科医師の指示のもとで仕事を体験します。

基本的に1日かけて実習を行うことになるため、本物の歯科衛生士と同じスケジュールで学ぶことが可能です。
例えば以下のような形で、歯科衛生士の1日の流れを実際に体験できます。

①登院後、診察室やユニットを清掃し、機器の点検や器具の準備をする
②担当してくれる人の指示を受けて、診療補助や患者さんの口腔ケアを行う
③昼休みに入って食事をとる。同じ時間帯に休憩に入った歯科衛生士の方とコミュニケーションをとって、交流を深められることも
④午後の実習に入り、引き続き担当者の指示のもとで仕事を行う
⑤診療終了後、現場の片付けや清掃、消耗品の補充などを行う
⑥担当者と今日のことを振り返り、アドバイスを受ける。必要に応じて分からないことを質問しておくこともポイント
⑦帰宅後には1日分の仕事内容や発見をレポートにまとめ、明日の提出に備える

臨床実習の内容は、実際に出向く現場によって少しずつ異なりますが、基本的な流れは上記のようになっています。
歯科衛生士として就職した後のことをイメージしながら働けるため、大変ですがやりがいのある実習になるでしょう。

歯科衛生士の実習で得られるメリット

歯科衛生士の実習では、さまざまなメリットを得られます。
どのようなメリットがあるのか把握しておくことで、効率的に実習の効果を得ることができるでしょう。

以下を参考に、歯科衛生士の実習ならではのメリットを確認してみてください。

学校で学んだ知識を技術として応用できるようになる

歯科衛生士の実習では、授業で得た知識を技術に応用する方法を学ぶことができます。
どれだけ知識を蓄えても、実際の現場で活用できなければ、歯科衛生士として働くことはできません。

実習は知識を技術に転用する方法を学ぶ、絶好の機会となるでしょう。

プロの歯科衛生士の仕事ぶりを間近で観察できる

歯科衛生士の臨床実習では、実際にプロとして働いている歯科衛生士の仕事ぶりを間近で観察できます。
専門技術を見て学ぶことができるため、その後の学習や就職後に活かすことができるでしょう。

臨床実習中は歯科衛生士の方と話す機会もあるので、なるべく積極的に交流を図ってアドバイスを受けるのがポイントです。

歯科衛生士として働く自信がつく

実習を繰り返すことは、歯科衛生士として働く自信をつけるきっかけになります。
実際の働き方を体験することで、歯科衛生士が何を考えながら働いているのか、どのような点に注意すべきなのかが分かってくるでしょう。

その経験は実際の業務にも活かされるため、実習を行うことは自然と歯科衛生士になる準備を進めることにつながります。

まとめ

歯科衛生士になるためには、さまざまな実習をクリアしなければなりません。
実習には多くのメリットがあり、知識や技術を高めるきっかけにもなり得ます。

この機会に歯科衛生士の実習内容や種類を確認し、進学後の授業に備えてみてはいかがでしょうか。