歯科衛生士コラム 歯科衛生士コラム

2022/08/29

通信で歯科衛生士は目指せません。歯科衛生士になるには?

歯科衛生士になるためには、必要なステップを踏んで資格取得を行わなければなりません。
その方法は限られていて、どのようなやり方でも良いというわけではないのです。

例えば通信制の学校による通信教育では、歯科衛生士にはなれません。
歯科衛生士を目指すのなら、専門学校や大学などに通う必要があるのです。

本記事では、通信教育では歯科衛生士になれない理由について解説します。

歯科衛生士は通信教育ではなれない?

先にも解説した通り、歯科衛生士を目指すのなら通信教育の学校は避ける必要があります。
どれだけ関連したスキルを学ぶことができても、通信教育だけでは歯科衛生士に必要な国家試験を受験できないのです。

歯科衛生士になるための国家試験を受験するには、指定の養成機関(専門学校や大学など)で3年以上学習を行わなければなりません。
3年以上の学習で専門的なスキルを獲得した上で卒業することで、はじめて受験資格が得られるのです。

通信教育を行う学校は、この指定の養成機関に含まれないため、何年勉強しても国家試験の受験資格は得られません。

歯科関連の職業のなかには、通信教育の経験だけで就職できるものもあるため、それと勘違いしているケースもあります。
歯科衛生士に関しては、どう工夫しても通信教育だけでは就職できないため、事前に確認しておくようにしましょう。

通信教育で学習したことも役には立たない?

歯科衛生士になるためには、専門的な知識や技術が必要です。
そのため「通信教育で学んだ知識を活かせるのでは?」と考えられますが、通信教育で学んだ知識だけでは不十分になる可能性があります。

歯科衛生士になるには国家資格である「歯科衛生士免許証」が必要になるため、求められる知識と技術のレベルは比較的高いです。
通信教育の内容だけでは、国家資格の受験に必要な知識を身につけることは難しいでしょう。

また、歯科衛生士になるには実習経験が不可欠になるため、通信教育ではその点を満たすことができません。
各業務の実習や臨床実習を通して、歯科衛生士に必要なスキルを獲得していく過程が求められるので、原則として専門学校や大学に通う必要があるのです。

歯科衛生士の学校に指定されている専門学校や大学に進学すれば、専門のカリキュラムで必要な知識・技術を習得できます。
わざわざ通信教育を別で受けなくても、充実した環境と講師による専門的な授業によって、必要なスキルは獲得できるでしょう。

もちろん、必ずしも通信教育の成果が歯科衛生士の仕事に役立たないとは言い切れません。
しかし、資格取得につながらず、必要な知識・技術は専門学校や大学で学べることを考慮すると、通信教育を利用する優先度は低くなるでしょう。

通信教育でなれるのは「歯科助手」

通信教育でもなれるのは、歯科衛生士ではなく「歯科助手」です。
歯科助手も歯科医院など多くの職場で必要とされる職業ですが、歯科衛生士と比較すると大きな差があります。

歯科助手とは?

歯科助手とは、歯科医院などの職場で主に雑務を担当する職業です。
歯科医や歯科衛生士の仕事をサポートするのが役割となり、器具の洗浄や院内の清掃などを行いながら、指示に合わせて動くことが求められます。

歯科衛生士と違い、歯科助手は患者さんの口腔内に触れることはできず、歯石などを除去する予防処置や、治療の支援を行う診療補助、歯の健康を守るためのアドバイスを行う保健指導なども行えません。
これらの仕事は歯科衛生士の三大業務と呼ばれていて、歯科衛生士の資格を持つ人だけができる業務となっています。

歯科助手は上記のような治療行為が許されていないため、仕事においてさまざまな制限がかかります。

歯科助手から歯科衛生士になることは可能?

歯科助手として働きながら、歯科衛生士になることは可能です。
しかし、特別に歯科助手の実績が必要になるわけではないため、歯科衛生士になりたいのなら、最初から歯科衛生士を目指すことが基本となるでしょう。

しかし、歯科助手として歯科医院で働いた経験は、その後歯科衛生士として就職する際に役立つ可能性があります。
歯科助手として働いておけば、ある程度歯科医院などで行われる業務内容が把握できるため、歯科衛生士になるための学習過程で具体的な状況をイメージしながら勉強ができるでしょう。

歯科衛生士になるには指定の養成機関への進学が必要

歯科衛生士になるには、先に解説した通り指定の養成機関への進学が必要です。
所定のカリキュラムで学習を行い、必要なスキルを身につけた上で、国家試験に臨むのが基本的な流れとなるでしょう。

指定の養成機関には、専門学校、大学、短期大学などいくつかの種類があります。
どの学校を卒業しても歯科衛生士の資格試験を受ける権利を獲得できますが、効率良く就職を目指すのなら専門学校への進学がおすすめです。

専門学校なら効率良く充実した学習が行える

歯科衛生士の専門学校には、効率良く充実した学習が行えるというメリットがあります。
専門的なカリキュラムがしっかりと組まれているため、無駄なく必要なスキルを獲得可能です。

大学や短期大学と違い、歯科衛生士中心の授業が最初から組まれているため、集中的に専門知識と技術を学べます。

歯科衛生士になるための知識・技術の習得に特化した環境がそろっているのも、専門学校の魅力です。
例えば歯科医院を再現した本格的な実習室を使って、歯科衛生士に必要な業務の実習が行えます。

その他、プロのノウハウを有した講師による授業や、国家試験対策、就職サポートなど、さまざまなメリットを得られるでしょう。
困ったことがあれば気軽に相談でき、個別に対応してくれる環境があるので、安心して歯科衛生士になるための勉強に励めます。

また、専門学校は歯科衛生士になるために必要とされている3年間で卒業できる点も、おすすめの理由です。
仮に大学に進学した場合、卒業まで4年間かかります。

1年間の差が出るため、専門学校を卒業した人はその間に歯科衛生士としての実績を重ね、実践的な能力を育むことができます。
早めに就職できることで、収入面においても安定するため、生活基盤を作ることもできるでしょう。

まとめ

通信教育だけでは、歯科衛生士になることはできません。
指定の養成機関への進学と卒業が国家試験の受験条件となるため、事前に詳細を確認して間違ったルートをたどらないように注意しましょう。

歯科衛生士になるのなら、特に専門学校への進学がおすすめです。
効率良く必要なスキルを学べる専門学校であれば、スムーズに歯科衛生士の資格取得と就職を叶えられるでしょう。